99.02.13

ふっふ。
今日も遅刻してないぞ。
最近の俺はなんか違うな。
まあ実際は生活のリズム崩れすぎて、昼までに起きる自信がなかったので、
FFのパワーに賭けて朝まで起きてたんすよ。
まあその絶大な威力のおかげで遅刻はしなかったんだが。

・・・眠い。
眠いぞ。
危険な感じだ。
これから10時間?
ふっ、ありえんな。
力つきたらそんときゃそんとき。
何とかなるだろう。

店長が帰ってJくんと働く。
眠気絶好調。
レジ精算において不可解な行動のオンパレード。
精算の代わりに点検して、現金5万円にあわせる前に小銭崩して、
ジャーナル取るのも忘れたな。
他にもいろいろかましたはずだが、もういいやな。
そのたびにJくんに爆笑されたがそれどころじゃないぞ。
危険。危険だ。

精算のコンピュータ処理の最中にリミットオーバー。
なんとかやり終えたものの、睡眠欲はマックス値をキープ。
おかしいなあ。
去年は前日普通に朝起きて、学校行って、徹夜でカラオケして、
始発で帰ってきて朝5時から22時まで17時間働き続けたこともあったんだが。
さすがに年か?

ああ、Jくん、僕はもうだめです。
やる気はあるんだけど、脳みそ動いてません。
体も動きません。
ちょっとだけ、ちょっとだけだから・・・。

そんなわけで頼み込んで長期休暇決行。
休憩室の奥のイスで眠りにつく。
せめてちょっとでもジュースが終わっていたら、床に段ボール敷いて寝られたのに。
Jくんはわざわざドアまで閉めて、電気も消してくれた。
なんていいやつだ。
おまえが眠くなったら寝かせてやるからな。
・・・と言うより俺には起こせないと言った方が正しいような気がするな。
で、もう障害はない。
寝る。

起きる。
電気が消えているため時刻不明。
目がかすんでいるので状況不明。
まだ眠いので睡眠が必要と判明。
再び眠りに落ちる。

結局、3時間ほど眠ったようだ。
勤務時間10時間中の3時間はでっかいな。
目覚めてみると16時をすぎていた。
眠気もほとんどおさまり、なんとか復帰する。

Jくん休憩する。
まあ当然だな。
相棒が寝てる間3時間1人だったんだから。
まあゆっくり休んでくれ。

そういえば、Jくんも昔夜勤だった頃豪快に寝たことがあったらしいな。
3時頃の休憩で寝てしまい、6時の仕事明けまで寝ていたらしい。
しかも、寝ているくせに目の前にあった麦茶は飲んでいたという報告があるな。
本人は覚えていないんだからたいしたものだ。
Aさんが目撃者らしいが。
Aさんも起こした方がいいと思うんだよね。
前に俺は発注の途中で意識を失ったことがあるが、
数分後目覚めて発注を済ませ、レジに出ていったら、
「動いてなかったよ。」って言われたもんなあ。
そんな報告より起こしてくれよ!!って思ったよ。
俺もAさんがごくまれに寝てしまったときには起こさないようにしてるけど。
あの人が寝るのはしょうがないよ。
オーバーワーク。
それ以上でも以下でもない。
気づけって。

とにかく仕事だ。
とはいえ、午後に搬入されるものはほとんどJくんが終わらせてくれていた。
妙に客が多かったようで、Jくんはちょっと泣いてたな。
でも、俺がレジに立つと、ほれ、静かだぞ。
そうなんだよ。
Kくんとコンビでやってた時から気づいてたんだけど、
俺には客よけの効果があるらしい。
俺の休憩中は客がやたらと来るくせに、レジに立つと来ないんだよなあ。
さらにコンピュータで調べてびっくり。
俺が寝ている間の客数は、先週より40人も多かった。
Jくんは憤るが、そこまでは俺の関知するところじゃない。
店にとってはマイナスだろうが、俺にとってはいいことだ。
改善しろと言っても原理は分からないし。
俺の人徳ってやつじゃないだろうか。

まあジュースも終わってまったりした時間帯。
何事もなくすぎていく。
俺とJくんがいて何事もないことなどあり得ないんだが、
まあいつもと比べたらだ。
こいつのせいで俺の何事もないの基準は歪められたからな。

21時を回り、油断したそのとき。
事件は起こった。
俺が休憩しているときだったが、店の前に救急車が横付け。
本当の事件らしい。
病院なんて100メートル歩けばつくんだからその方が早いのに。
しかもJくん曰く、
「さっきジュース買ったやつがそのまま乗り込んでったよ。」
だそうで、もはや意味は分からない。
俺たちは悪くないだろうってことで、Jくん休憩。

数分経って、警官登場。
事故の証言を募集しているらしい。
そんなこと言われても、事故の瞬間は見てないし。
だって店の外ばっかり見てる店員ってそれはそれで問題だろう。
結局、彼は「うちでジュース買った人が救急車に乗ってったらしいスよ。」
とのまったく役に立たない証言を得ただけだった。

事故のことは忘れて、点検を始める。
2レジを開けて、紙幣を数えているときに、なにやらJくんの声。
何事かと振り向くと、突然何かが飛んできてレジの引き出しにヒット。
拾ってみるとバターしょうゆおにぎりだった。
温めてくれということらしいが、
レジの引き出しがはずれるほどの勢いで投げることはあるまいに。
文句はあったが仕方がないので温めてやる。
投げ返そうとして気づいたのだが、2レジは休憩室から遠いので、
ゆっくり投げると放物線の高度が高くなり、休憩室の入り口の上に当たってしまう。
ここは元野球部の腕だと思い、速球を投げる。
球はJくんの指をかすめ、後ろにあったFF8の宣伝ボードに命中。
炸裂。
粉砕。
万物は熱を与えるともろくなる。
バターしょうゆおにぎりは正常な物質だったようだ。
ぼろぼろになってはじけ飛んだ。
残念だが仕方がない。
俺は忙しいので、掃除はJくんに任せて精算をする。
だいたいちゃんとキャッチしないのが悪いんだ。
苦情を申し立てるJくんにそう言ってやったら、
「だってかすった指が反対に曲がったもん、こうやって。」とシミュレーション付きで反論された。
じゃあ手のひらで受け止めればいいのに。
まあ、元野球部ってことで勘弁してもらうか。

そのあとは特になにもなく、(と言っても10分ほどだが)22時を迎えた。
夜勤の人々はまだ掃除をしていたが、俺たちには関係ない。
帰る。

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