99.01.22

相変わらず遅刻する。
車が混んでたと言ったら、胡散臭い顔をされた。
ほんとなのに。

いつまで待ってもAさんは来ない。
店長に聞いてみたところ、今日はIwさんが代わりに入るそうだ。
おそらくスキーにでも行ったのだろう。
あの人好きだから。
しかし、そういうことは早く言えよな。
っていうか、のんびり座って弁当食ってないで仕事してくれ。

Iwさんは30分くらいしてから出てきた。
店長が甘やかすからいかんのだ。
愛人候補として狙ってるという噂は本当だったのか。
噂の出所は俺だが。
まあのんびりしてて俺も結構好きだ。
頼りないので多少不安でもあるけどね。

Iwさんとは前に何度か話したことがある。
どうせ暇なので何か話そうかなと思ったとたん、えらいやつがやってきた。
太ったおばさんで、生意気そうなガキを連れている。
こいつらが、まずカゴいっぱいにお菓子やらカップ麺やらを積み上げてきた。
その時点で、まずいやな気分になる。
たくさん買い込むならスーパーなりなんなりに行けばいいのだ。
こっちはちょっとしたご用のお客様のために商売やってるのに。
まあ積み上げるだけなら1日に2人はいる。
こいつらはそれからが違う。
まあガキといいおばさんといい、カゴを置くだけ置いておいて、
店中からいろんなものを集めてきやがった。
アイス、レジ脇から合格どらやき4つ、受験生は関係ないだろうに。
ポテトチップ、パン、ジュース。
来るわ来るわ、追加は合計5回に及び、そのたびにおばさんは腕いっぱいにものを抱えてきた。
挙げ句の果てに、ガキが中華まんの什器をじっと見ている。
やめろ、やめてくれ。
俺の(たぶんIwさんも)必死の願いもむなしく、ガキは食いたいと騒ぎ出す。
幸い、おばさんが止めようとしている。
「これからご飯だから・・・。」
おい!!
これからご飯なのにこんなに買うな!!
しかも、このおばさんガキに負けやがった。
「じゃあ肉まん6個とあんまん3個。」
このクソババァ
ガキのわがままなんざ1個与えときゃ充分だろうが。
ご飯はどうした、ご飯は。
間違いなくこのガキぁまともな大人にそだたんね。
結局総額8000円オーバー。
疲れ果てた俺たちを尻目に、ガキに向かって、
「ほら、持ちなさいよ。あたし歯ァ痛いんだから。」
歯は関係ない。
そう思いながら力つきた俺たちは、社員がいないのをいいことに早速休憩に入った。

その後、全く事件がない。
Iwさんはおとなしいし、妙な客も来ない。
暇なので発注をやる。
今日は夜にはAさんが来るはずだ。
わざわざ訊くこともあるまい。
適当に数を合わせようとして、はたと止まる。
この際だ。
Iwさんにやらせてしまえ。
やってみるかと訊いたら、やるというので、やらせてやった。
が、途中でわからなくなったらしい。
助けてくれと言われたので、昨日のAさんのように適当に削ってやる。
むう、考えないとこんなに楽なのか。
方針を変えたのは正しかった。
今後も適当にやろう。

もうやることはない。
22時。
Yくんが来る。
Aさんは22時からでも結局遅刻だ。
Yくんは、ぎりぎりに来てのんびり弁当を食っている。
時間だから仕事しろと言ったら、
今日はこれが初めての飯だと言われた。
知ったことか。
有無を言わさず掃除をやらせる。
10分後。
掃除が終わったのであがろうとしたら、Aさん登場。
夜見ても死にそうだ。
気にしてもしょうがない。
さっさと帰る。

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