98.12.18

 今日、実験を済ませてからバイトに行ったら、5分ほど遅刻した。
どうせAさんはもう5分遅く来るだろうから、気にしないことにする。
本当に5分後に来た。やっぱりなと思いつつ自分に少し自信を持つ。

掃除をしていたら、ポット脇のゴミ箱のふたに、
カップ面のジャージャー麺の液体スープらしきものがべっとりと付着していた。
こぼしたなら拭きやがれと思って突然不機嫌になる。

しばらくレジを打っていたら、OLがいっぱい入ってきた。
その会話。「あたしってほらエコノミストだからぁ・・・自然に優しいのよ。」
いい年してケチと環境保護主義の違いも分からないのか。
俺とAさんは倒れた。

やがて、サ●クス放送が騒ぎ出す。
奴が言っている。「もうすぐクリスマス。皆さん予定はお決まりでしょうが、
どうぞ、ハッピーなクリスマスをお過ごしください。」
おお、よく分かったな。確かに俺には予定がある。忙しいのだ。
バイト。
文句あるのか。バイトが悪いか。
てめえがそこでハッピーなクリスマスとかほざいてる間に汗水たらしてる奴がいることを忘れるな。
むう、最近情緒不安定な自分がいる。なぜだ。
憤りを感じつつ休憩する。

みかんのジュースを買ったら、Aさんに、「乳酸飲料って書いてあるよ。」と指摘された。
そんな事言われても、もう買ってしまった。
飲んでみると、どうやらみかんジュースにカルピスを少量たらしただけのものらしい。
損な買い物をしたものだ。

酢豚ヌードルなるものが落ちていたので、試みにお湯を入れてみる。
3分後、後悔先に立たずということわざの意味を思い出す。
もう珍しいからといって食べるのはやめようと、何百回目かの無駄な誓いを立てる。

Aさんの休憩の番になったとき、悲鳴が響いた。
「銀行行くの忘れてた・・・・・・・」
残金は132円らしい。
貸そうかとかおごろうかとかいろいろ考えたが、「いらない。」とか言われそうでやめた。

その間に、不思議なレシートがレジ横に貼りつけてあるのに気付く。
裏面に、

黒ブチ
太い
くせ毛
服荒れ
背が高い
ボソボソしゃべる
いつもたくさん買う
いつも赤と黒のリュッくを背おう
300ポイントいった人

 のもの

と書いてある。
まったくもって分からない。だいたいリュッくとは一体・・・。
うちの店員は、やはり変な人が多いらしい。
俺は別だがね。

とか考えていたら、ガキが500ミリのペットボトルを持ってきた。
しょうがない、打ってやろうと思って手を伸ばすと、置き方が不充分だったのか、
ボトルは倒れて俺の手にヒットした。
かなり痛い。このやろうと思ってガキの顔を見ると、なにやら被害者面をしている。
こいつはオマエのせいだと言ってやりたかったが、言ってはいけない。
大人なので我慢する。

それなのに次の奴は郵便はがきを50枚もよこせと言う。
こんなもの50枚も数える苦痛を考えろ。
やはりはがきは郵便局で売るべきだとの見解を強く持つ。

次に切手を買ったおばちゃんに「ポストはどこ?」と訊かれたので、
「その先の郵便局に・・・・」と道まで教えてやろうとしたところ、
「あら、ここにあるんじゃないのね。」ときやがった。
あたりまえだ!!
どこの世界にポストを仕入れるコンビニがあるんだ。
少しは考えろ。

だいぶ経ってから、客にマイルドセブン4つを頼まれた。
出してやろうとすると3つしかない。
仕方ないのでカートンを出しに行ったら、カートンもない。
なぜ売れ筋のタバコをいっぱい仕入れないのだ。
キャスター1など、30カートンはあるが、売れる気配はないというのに。
その客は、謝ったら3つでいいと言ってくれた。
こいつはいい奴だ。
顔を覚えてやろうと思ったが30秒ももたなかった。

しばらくしてから、常連のおっさんが来た。
なんでも、昨日負けた台に今日も座ったら12万も儲かったらしい。
そんなに儲かったのならなにかおごってくれとひそかに
願ったが、無駄だった。
察しの悪い客は嫌いだ。
その上、今日は座りっぱなしで疲れた。などと言っている。
そんなにいやなら代わってくれ。

2度目の休憩に入る。
新しく仕入れたオーストラリア産のタバコを珍しさのあまり買ってみる。
すぐにまた無駄な誓いを立てる羽目になった。所詮はオーストラリアだ。
食うものは食ったし、特にやることもないのでボーっとしていたら、すぐに終わってしまった。

Aさんは、有り金をはたいてホープライトを買った。
金がないなら吸わなきゃいいのに。と思おうとしたが、俺でもやはり買っただろう。
よく見ると、食べ物から飲み物まですべて廃棄で統一している。
この店と関係がある限り餓死はしなくてすみそうだと考えた。

上にすむおっちゃん登場。
なんでも文京区までツリーの検査に行ったらしく、えらくまいっていた。
往復6時間、仕事は30分だったらしい。
俺の仕事は楽なのかもしれないと思う。
Aさんは、俺の考えなど知らずに、明日朝イチでいらっしゃいましーんに行くと言っていた。
どうやら預金もないらしい。

上がりが近づく。
ところが待っていても夜勤のバイトは来ない。
どうかしたのかと思ったが、Aさんが1人でやるらしい。
そういうことなら問題はない。
さっさと点検を終わらせて帰ろう。

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