排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合には、「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」で管理することが廃棄物物処理法で義務付けられていることは、皆さんご存じでしょう。

このたび、廃棄物処理法が改正され、今年四月から改正法が施行されることになりました。改正の大きなポイントは、@マニフェスト制度の変更、A不法投棄の責任が排出業者まで及ぶようになった、B廃棄物の野外焼却(野焼き)の禁止、の三点。全体として排出事業者の責任が強化された内容となっています。

個別に改正点を解説しますので、法律を正しく知り、廃棄物を適正に処理するようにしましょう。

 

  1. マニフェスト制度の変更

 

  1. 排出事業者にも、最終処分までの確認が義務化

廃棄物の運搬や処理を委託した排出事業者は、適正に最終処分したことを確認しなければなりません。そのため、マニフェスト(管理票)が7枚つづりの様式に変更になりました。

また、中間処理業者には、排出事業者に対し、最終処分が終了したことを記載したマニフェストの写しを送付することが義務付けられました。

つまり、排出事業者は、今まで以上に廃棄物の流れを管理することが必要になってくるわけです。送付されてきたマニフェストの写しの記載内容の確認。期限までにマニフェストの写しが送付されない場合には、状況を把握して、各処理業者へ指示・催促、自治体への報告書の提出など、適切な措置を講じなければ罰則も適用されてしまいます。

 

  1. 不法投棄の責任が排出業者まで及ぶようになった

 

委託契約やマニフェストの交付などが適正であっても、不法投棄があった場合には、排出事業者も都道府県知事による措置命令の対象になることもあります。

これに対応するため、これからの排出事業者は、委託基準やマニフェストに関する義務を遵守するとともに、次の点に注意することが必要です。

  1. 廃棄物処理業者の選択は慎重に
  2. 処理業者を選ぶ際には、契約書の内容をよく確認すること。また業者の許可条件外の委託はしないようにしましょう。

  3. 適正処理に必要な料金の負担
  4. 適正処理が難しそうな、極端に安い料金で委託するのは避けましょう。不法投棄などのおそれがあります。

  5. 不適正処理を知った場合には処理委託の中止を

不適正処理がおこなわれていることを知ったら、すぐに処理委託を中止し、行政に連絡するなどの措置をとりましょう。

 

  1. 廃棄物の野外焼却(野焼き)の禁止

 

野外での廃棄物焼却(野焼き)は、廃棄物処理基準や政令等に従う場合を除き、すべて禁止となります。また、政令等に従う野焼きでも全面的に許されているわけではありません。これに違反すると、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金などの罰則があり、現行犯逮捕もあり得ます。

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