102. 実用英語講座 (2001/5/10)


戻る前回次回

外国語は難しい。私は英語を中学以来八年間勉強したが、一体八年間なにをやってきたのだろうと自問したくなるほど身につかなかった。

ところが最近になって英語の BBS に参加しているうちに、自分でも面白いように英語が読めるようになった。信じられないことに、英作文の方もそれなりにできるようになった。ちょっと前にインド人に私の英語を誉められたときは、とりたてて嬉しいという感情は湧かなかったが、ついに人に通じる英語を書けるようになったのだと思えた。それまでも大体人に通じてはいたのだが、人から評価を得ることはまた一つの前進である。ちなみにそのインド人は、ケーブルテレビでやっていたアメリカ製のアニメを見て英語を覚えたらしい。彼の英語がアニメ調だとしたら笑える。

やはり実際に会話をすることが上達につながる。なにかやはり目的がなくては駄目なのだ。そこで、私が自信を持って勧めるのは、海外の BBS に茶々を入れにいくことである。最初から友好的なコミュニケーションを取ろうと思ってはいけない。同じ日本人同士が日本語で会話しても友好的になるのは難しいのだから、むしろケンカしにいくぐらいの気持ちで行ったほうがいい。国際問題でアメリカの政策を非難するために単純な事実を列挙するのも手だし、yahoo のくだらない掲示板に罵詈雑言を書き込むのも一つの道である。

というわけで、今回はケンカに便利ないくつかの単語を紹介することにする。

▼f***

やはり英語で下品な言葉といえば fuck である。この言葉は非常に便利な言葉で、ありとあらゆる単語の間に副詞のようにはさむことができるし、あらゆる名詞を形容することができる。ただし、掲示板にそのまま fuck と書くことはできないことが多いので、f*** と伏せ字にしなくてはならないか、もしくは自動的に伏せられてしまう。

どんな言語にも下品な言葉はあるが、大きく二種類に分けられるらしい。fuck 系と shit 系である。日本は shit 系で、クソったれ、クソ野郎などが一般的である。性交関係か排泄関係のどちらかが必ず中心になる。bull***t は fucking ほどは使われないが、よく使われる下品な言葉のようである。

▼sigh

積極的な言葉もあれば、消極的な言葉もある。その代表が多分 sigh だろう。辞書を引くと、ため息、と出ている。私が見た限りでは、*sigh* とアスタリスクで囲む表現が使われていた。これは、顔の表情をあらわす修辞記号である。ひらたく言えば「やれやれ」のような感じだろうか。

▼LOL

相手を笑うことは大きな罵倒である。日本では (笑) とか (爆笑) が使われることが多い。英語では LOL になる。これは Laugh Out Loudly の略であり、文字通り「大声で笑う」である。エクスクラメーションマークをつけて LOL!! と書くと多分「爆笑!!」のようになるのだろう。

▼sucks

ざまあみろ、に当たる言葉がこの sucks らしい。私が見た限りでは、日本語で言うなら「つかえねー」とか「最悪」のように使われる。使い方は、辞書を見ると間投詞的に使うと書いてある。私が見た中で多かったのは、US sucks! のように名詞のあとに続けるだけである。

逆に「最高」を意味するのが rules である。これは多分そのまま動詞として使われる。ポケモン嫌いのアメリカ人に pokemon rulez!! と言うと多分かなり相手を刺激することができる。直訳すると「ポケモンが支配する」だが、意味としては「ポケモン最高」だろう。z は口語調の文体である。

▼spank

日系カナダ人が使っているのを見たことがあるだけなのだが、spank spank は日本語では「(お尻)ペンペン」にあたる。相手を子供扱いするときに使えるのではないだろうか。

ほかに、辞書でたまたま見つけた there, there, there is a good boy... がある。これは日本語では「よしよしいい子だ…」に当たる言葉のようである。私はこれを中国系カナダ人の 14歳の BBS 管理者に使ってみたのだが、彼は若さゆえだと思うが私のこの文章を書きかえるほどだったので、多分それなりに腹が立ったのだろう。

▼What the heck?

喧嘩をすると相手からも罵詈雑言が飛んでくる。それを真似するのはいいことである。私がインド人を多少刺激したときに、彼からこんな文章が返ってきた。What the heck do you mean by that? 日本語に訳すると「それは一体全体どういう意味だ」になる。

ほかに Are you kidding? 訳すと「冗談でしょ」もある。

▼Bah

茶化すときの間投詞 Bah は日本語にもニュアンス的に近いものがある。発音は多分「バァ」だろう。Bah... のあとに続けて、ふざけた内容の文章を続ければいい。戸惑いを表わす間投詞 Err もある。

*

というわけで、これらを駆使して、真のコミュニケーションを始めるのはいかがだろうか。最初から擦り手で会話を始めることがすべてではないのだ。

実際に会話するとなると、相手の言っていることを聞き取らなくてはいけないし、自分も正確に発音しなければ相手に通じない。また、相手との関係を大事にしなければならないし、へたをすると日本人相手でもそうだがコブシが飛んでこないとも限らない。一番の問題は、自分の言いたいことをすばやく英語にしなければならないことだろう。しかしそれらは、匿名でインターネット上の BBS でコミュニケーションをする場合には全く問題にならない。中学校で習った程度の英文を打ち込むだけで相手に伝わる。へたをすると BBS から締め出されることもあるかもしれないが、コブシが飛んでくる心配はない。自分の言いたいことを時間をかけて書くことができる。最後の手段としては、翻訳ソフトの助けを借りるという手も残されている。

私が嬉しかったのは、自分が英語の文章を見て笑えるようになったことである。自分が英語で誰かを笑わすことが出来ればもっと嬉しいだろう。それも、上品な冗談ではなく、相手を茶化すことから始めるほうが良いだろう。


戻る前回次回
gomi@din.or.jp