HANATARE
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◇お昼の時間◇

灼熱の朝と辛酸の午後に挟まれた至福のひと時、お昼休み。今日もお気に入りのお店で孤独にランチ。周りではお洒落の話題に興じるOL風の女性達や仕事の話題をクールに語る男達が様々な人生模様を会話に滲ませている。俺の隣の席には若いサラリーマン風の二人組。一人は海猿の伊藤英明さん風なナイスガイ(以下英)。もう一人は電車男の伊藤淳史さん風な心で君を抱きしめるタイプ(以下淳)。

英「仕事どうすか。」
淳「まあ、こんなもんかなと。」
英「そっかあ。朝きつくない?」
淳「ん、いや、別に。」
英「この店よく来るの?」
淳「そうだね。まあ。」
英「……。」
淳「……。」

英「お、このキムチ辛え!うまいけど。辛くない?」
淳「辛いね。」
英「ごめん、ちょっとゆっくり食っていい?汗かくかもだからさ。平気?」
淳「ああ、うん。」
英「ごめんね。いや淳さんとだとこいうこと頼みやすくていいわ。変な気遣わなくていいっつうか。」
淳「ん、そ。」
英「上司とかだと頼めないし。さすがに。」
淳「ん、上司ね。」
英「……。」
淳「……。」

英「でもさあ、もうすぐみんな離れ離れになっちゃうね。配属決まって。寂しいよね。」
淳「んー、そう?」
英「そうじゃない?淳さんはあんま寂しいとか思わないの?」
淳「え!?や、だって最初から決まっていたことだからね。」
英「そだけどさ。」
淳「最初から決まってたことでしょ。」
英「そっか。」
淳「決まってたことでしょ最初から。」
英「このモヤシうめー。」
淳「……。」
英「……。」
淳「……。」
英「………。」
淳「……………。」

英「…淳さん、何か喋ってよ。」
淳「ぇ?」
英「何か淳さんからも話題振ってよ。」
淳「そうだな。うん。でも特に話題のようなものは。」
英「大丈夫。俺、なんでも食いつくから。」
淳「あ、ん、そだな、えーと、えーと。」
英「……。」
淳「……。」
英「……。」
淳「……。」
英「……。」
淳「今朝俺は早起きをしてそれはいつもより1時間も早かったんだけど。」
英「うん!うん!」
淳「しかし結局家を出た時間はいつもと一緒であったので結論として早起きは得策でないということだ。」
英「でも早起きは三文の得って言うじゃん!!」
淳「三文を現在の貨幣価値に換算すると約60円だ。」
英「え。」
淳「つまり1時間早起きをして得られる収支が+60円だぞ。とても得と思える額じゃない。」
英「はは…。」
淳「ましてや三文は時間や精神的メリットの比喩だから実際は60円の現金収入すらないわけだ。」
英「……。」
淳「ただ何分早く起きると早起きだという厳密な定義はないのでそのへんの議論も必要だろうが。」
英「そろそろ行くか。」
淳「え?あ、うん。」



この世はストレス地獄。

 [ '06/05/31(水) ]

 

◇NINTENDO DS◇

「最近NINTENDO DS買ったんだよ。」

「ソフトはやっぱ脳トレですか?」

「いや、犬飼うやつ。」

「え!!」

 

 

そんなに脳トレ必要そうだろうか。

 [ '06/05/29(月) ]

 

◇東風荘メモリー◇

インターネットにおける文章によるゲーム一般、主にブラウザゲームなどを含まないキャラクター会話中心で進められるものを指してPlay By Web、略してPBWという。俺はPBWという言葉を聞く度に思い出すものがある。それは東風荘の歴史の闇にポイ捨てされた悪の組織、東風ブラックウォッチャーズ(略してTBW)のことだ。

と言ってもなんだそれと思われる方が大半だろう。大半つうかほぼ全てだと思う。TBWは昔俺が所属していた闇のインターネットコミュニティで、その活動内容は東風荘というインターネット雀荘を舞台に繰り広げられる様々な熱い出来事を冷めた目で眺めつつ、それを仲間同志報告しあって討論するというとかぶっちゃけ茶化すだけどいうまるで人としての人間性を銀紙に包んで捨てたような低俗なものだった。

報告の場は一応話題の内容が決して外には漏れることの無いよう悪の大王によって厳重に管理されていて、TBWの存在自体一応は誰も知らないはずですよということになっていた。そんなところだけ無駄にモラリストな団体だったけれど、その管理体制もある日あっさり部外者の侵入を許し非難の嵐を浴びせられたことによって脆く崩れ去り、それと同時にTBWのメンバーは蜘蛛の子を散らすように光の速さで離散して二度と集まることはなかった。

今思い出しても社会的には正当化しようのないくだらない団体だったけど、敢えて論点をすり替え教訓めいた意味を残すならば、仲間同志で生産性を持たないくだらない何かを共有するということはとても楽しいものであり、そしてそんなところから芽生える心の団結が実は進歩・効率・有効性・生産性を重視しすぎる現代主義の闇を生き抜く上で欠かすことの出来ない生命エネルギーを生み出すのだということを僕らは忘れてはならないだろう。

 

知らんけど。

 [ '06/05/23(火) ]

 

◇メガネフェチ◇

「ほんとメガネかけてない女って意味わかんないっスよ。」

「目が悪くないからじゃないの?」

「だったら伊達メガネかければいいだけの話じゃないスか。」

「お前が意味わかんねえよ。」

 

 [ '06/05/13(土) ]

 

◇こだわりラーメン◇

東神奈川の某所に、どうしてこんなところにラーメン屋が?と思える場所にあるラーメン屋さんがあり、たまに通りかかっては気になっていたので今日思い切って入ってみた。外にはこだわりらーめんの旗印。

店はそこそこ広いけど席数は少なくカウンター席のみ。仮に満員になってもお客さんがわりとゆったりと食べられようにというこだわりの工夫かもしれない。メニューは「らーめん」「みそらーめん」「ちゃーしゅーめん」「秘伝の餃子」。秘伝の餃子も気になったけど、初顔の店でいきなり餃子まで頼むのは馴れ馴れしいのでまずは基本の「らーめん」を注文。待ち時間は5分程度。程よい。早速食す。

スープはこってりトンコツ系。しつこすぎず、でもトンコツの濃厚さが程よく感じられてなかなか美味い。麺もやや固茹の食感が心地よく飽きさせない。とても客なんて来なさそうな辺鄙な立地条件を考えれば十分すぎる味である。しかし、何か違う。なんだろうと思ってよく考えてみると、スープはこってりとんこつ系なのに麺は醤油ラーメンに合いそうなさっぱり硬質中太麺。これだ。

 

スープにも麺にもこだわりはあるけれど、スープと麺の相性にはこだわりのないラーメン屋さん。

 

 [ '06/05/11(木) ]

 

◇タカハシ◇

「じゃあタカハシ、『何も問題ありません。』これを英訳するとどうなる?言ってみろ。」

「ノープログラムです。」

「…それは問題あるだろう。」

高校時代の同級生にタカハシ君という男がいて、彼は中井喜一さん似のいい男だったが、とにかくすっとぼけぶりがすごくて彼の繰り出す天然パンチの数々は今でも俺の中で伝説として残っている。しかし本人はいつもいたって大真面目なのでクスリともこず、むしろ周りの反応に憤りを感じていたりした。そこがまた面白かったんだけど。

 

今はどうしているだろう。

 [ '06/05/10(水) ]

 

◇物書きさん◇

彼が文章を書くことに対して意欲を無くしてしまった頃と、その時期は一致していた。文章を捨てたくなったわけではないと言う。ただもう、楽しくないのだと。しかし、どうしてなのかは分らないのだと。

文章を書くという作業において、意欲はその全てだと言ってもよい。作品はその意欲の映し鏡でしかなく、そういう意味で書き手にとって真に大切にすべきは作品ではなく意欲だ。

彼は意欲を無くした理由について悩み、結果己を無能と責めた。

しかし彼が意欲を無くすに至った理由が、実は彼の能力とは別の問題としてあることを、僕は薄々と感じていた。おそらくそれは彼の文章を書こうという衝動の根底にあるべきものを失ってしまったせいであり、それは必ずしも彼のせいではなかった。しかし僕の口からそれを言うべきかどうかには迷いがあったし、僕もそれに気付くにはかなりの時間を要していた。

それから数年の時が流れ、今彼はまた少しずつ前へ歩み出したと言う。彼自身も、どうして文章への意欲を失ったのか自分でなんとなく分りはじめたと。

「失ったものは戻らないけれど、それを別の形に修正することは出来るかもしれない。」

そう言って彼は電話の向こうで微笑み、そんな彼の言葉に僕の表情も自然と緩んだ。

 [ '06/05/07(日) ]

 

◇黄金の弱点◇

今日からゴールデンウィ−ク。黄金の弱点と訳すのは誤訳です。この連休、皆さんは何してますか?俺はウキウキしてます。別にどこにも行きませんけど連休の間中ウキウキして過ごそうかな思ってます。ウキウキ。ウキウキ。あーハワイ行きたい。ザリガニ獲りたい。ウキウキ。

 

どっか行けっつの。

 [ '06/05/03(水) ]

 

◇泡沫の追記◇

早速睡眠時間を6時間半くらいに減らしました。急だからやっぱり眠さは残るけど意外に快調。この調子で今まで失った時間を取り戻すぜ。みんなはいっぱい寝ていいからね。

まあやることもなく起きてるならほんと寝たほうがいい気もするけど。

 [ '06/04/30(日) ]

 

◇泡沫の◇

人一倍睡眠には気を遣って生きてきました。1日8時間睡眠厳守。目標は目指せ2076年(世紀一周)!

しかしつい最近目にした睡眠学の書物に驚くべき事実が。なんと一日8時間以上寝ると

 

「寿命が縮む」

 

えええええええええええええええええええ!!!俺なんのために頑張って寝てたの!!!

その本によると一日8時間以上寝る人は6〜7時間寝る人より寿命が10%程度縮むらしい。それって100歳まで生きれる人なら90歳で死んじゃうってことか?大人が対象らしいから、てことは20歳から30歳までの10年間頑張って毎日8時間寝てた俺は既に寿命1年分くらいドブに捨ててる!!!アホかああああああああああああああああ!どこまでウッカリ屋さん!1日8時間寝れば大丈夫と盲目的に信じてた!超無駄!俺の10年間超無駄!プラス1年分無駄!更に細かいこと言えば毎日人より1時間多く寝てるってことは年間で365時間多く寝てるわけであってそれが10年だと3650時間!日にちに直すと

 

152日間!

 

もうな、返せ。それが駄目なら有給を取らせてください。152日間。俺だけ152日間時間が不足してましたという理由で。私事寿命により。ああもう!なんてゆうかこの、やりきれなさっていうか、そのな、どういうこと??もう一気にやる気なくなった。何がって、知るか!!終わり。今日はもう寝る。知らん。

 [ '06/04/27(木) ]

 

◇BGM◇

となりのトトロ トトロ♪    …A

トトロ トトロ♪

森の中に 昔から住んでる♪

(Aにもどる)

 

頭の中で半日くらい回ってた。

 [ '06/04/26(水) ]

 

◇牌◇

最近あまり麻雀を打ってない。

いつのまにか下手になってる気がして心配。

捨て配で一通できたらどうしよう。

 

そんなことを心配した日。

 [ '06/04/25(火) ]

 

◇メール◇

「あんまり無理するなよ。お前はそんなに強くないんだから」

知り合いの女性が、彼氏にそんなメールをもらって甚く感動したと言っていた。

 

なので、俺も送ってみました。真似て。送信。

しばらくすると返信が。

「あなたに私の何がわかるの。」

怒られました。

 

半年前のことだけど。

 [ '06/04/24(月) ]

 

◇朝礼◇

「おはようございます。今朝はいい天気ですな。」

「いい天気ですな。雲もなく、穏やかで。」

「穏やかですな。穏やかで天気のいい朝は眠いです。」

「眠いですな。ぽかぽかしてて、だからでしょうか。」

「だからでしょう。眠くなるのは仕方のないことです。」

「仕方の無いことですな。少し、陽に当たりながら眠りましょうか。」

「眠りましょう。眠くなくなるまで少しだけ。」

 

川崎駅横の空き地にはネコの国があり、晴れた日の朝には小さな朝礼が開かれている。

何かを気に留めるでもなく、ただ自然に集まり眠そうに目をしばたくネコたち。

きっと、そんな会話をしているに違いない。

 [ '06/04/19(水) ]

 

◇届くもの◇

窓の外は夕暮れ。曇っているから夕焼けなんて綺麗なものは見えやしない。

部屋の水槽に6匹の金魚。デメキンが3匹、ヒブナが2匹、ワキンが1匹。

ヒブナは力が強いから、弱いワキンをよくいじめる。追いかけたりつついたり。やめなさいって思う。

ワキンは体も小さいから、いつも水槽の片隅に隠れている。少しはしっかりしなさいって思う。

デメキンはそんなこと、素知らぬ顔で泳いでいる。たまにはワキンを助けてやりなさいって思う。

でもヒブナがいなくなったら悲しい。ワキンがいなくなったら悲しい。デメキンもいてほしい。

そばにいてくれるだけで届くもの。届けられるもの。思い。

そんなものを、僕らは気付かないうちに抱えきれないほどたくさんもらって生きている。

届けることで、満たされて生きている。

 

そんな誰かにありがとう。そんな何かにありがとう。みんなひっくるめてで悪いけど。

今くれる君にも、今までくれた君にも。

 [ '06/04/16(日) ]

 

◇本◇

知人に、どうして本を読むんですかと聞かれた。

本を読むという行為がなんだか素敵だからだよと答えた。

本てそんなに面白いですかと聞かれた。

本によるけどつまらない本を読むのはほんと苦痛だと答えた。

なんかドラキさんは本を読むのが好きなのか嫌いなのか分りませんねと言われた。

本を読むのは好きだけど本が好きかどうかは微妙だね。でもとりあえず、本はなんでも教えてくれるよと答えた。

 

穏やかな午後。

 [ '06/04/15(土) ]

 

◇酢豚のはなし

酢豚において豚肉の唐揚げとは華であり、それを口に運ぶときの高揚感は人参や竹の子を口に運ぶときのそれと明らかに異なる。というよりもむしろ人参や竹の子を口に運ぶという行為そのものが豚肉の唐揚げを口に運ぶ時における高揚感を高めるための準備運動に過ぎないのかもしれない。それ故に酢豚の中に点在する豚肉の唐揚げには只ならぬ希少価値があり、人は酢豚の中に豚肉の唐揚げが山ほど転がっている図を夢見る−。

そこで実際作ってみました豚肉の唐揚げだらけの酢豚。まず豚肉の唐揚げを山ほど用意し、それを市販の酢豚に加える。完成。豚肉だらけの酢豚。早速食す。感想。うん、酢豚だ。不味くはない。というよりも普通に美味い。しかしそこには何かが足りないのです。なんだろう。人参?竹の子?いや違う。じゃあ何?それは夢でした−。

 

今回酢豚が教えてくれたこと。それは何でも沢山あれば良いものではないということ。幸福は不幸の中にこそ存在するということ。では物が溢れかえるこの現代世界において、僕らは何を求めて生きてゆけばいいのだろうか。現代は既に求める物に満たされているのでしょう?

酢豚は言いました。その答えは、君自身が見つけるものだと。しかし果たして僕(酢豚)は、満たされているように見えるのかいと。そう言われてそこに見えたのは、見るからに醜い豚肉だらけの酢豚−。

 

満たされて、満たされないという幸せを知る。

 [ '06/04/12(水) ]

 

 

 

 

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